〒機能改善ではない。
機能改善には限界がある
この事実はすでに明白でしょう。では、回復期病棟における上肢機能アプローチの所在はどこなのでしょうか。
それでもまだ、〒機能改善なのでしょうか。
こう聞くと「違う」と答えたくなる。でも、じゃあどこにいるのかと聞かれたら意外と答えられないように思います。
結論から言うと上肢機能アプローチの現在地は領域によって異なっています。
回復期リハビリテーション病棟においては、
「生活行為に活かす」「生活行為を実現する」のための手段
という立ち位置になっているように思えます。この考えに至った過程を下の図にしました。

領域によって目的は異なります。回復期にいる患者がリハビリをたくさん受けられるのは回復期病棟です。そこは医療保険制度にしばられた領域です。そのため、医療保険の利用目的に合致しないと報酬がもらえないということになります。
自由診療の領域では医療保険は関与しないので、何を目的にアプローチするかは文字通り自由です。
次は回復期リハビリテーション病棟の「しばり」についてです。

左記2つが確実に抑えないといけない条件です(厚労省、リハ協会)。左から3番目に日本作業療法協会があるのは、上肢機能アプローチをOTが担うことが多いからです。一番右は各病院の方針です。これについては今回は触れません。
左2つの方針を抑えつつ、右1つを混ぜても論理破綻しない解釈をしてみます。
次はそれぞれが示す方針を明らかにします。

診療報酬改定の繰り返しによって、厚労省の意向は如実になってきました。「早期退院・ADL自立度向上」が謳われています。
次は回復期リハ協会です。ここではセラピスト10カ条とPTOT5カ条を拝借します。

図が小さくてすいません。
「2.心身機能の改善を図ろう」が分かりやすい該当箇所かと思われます。
次は回復期リハ協会のPTOT5カ条も見ていきます。

これも小さくてすいません。
PT5カ条の中にある運動機能の回復以外に注目すべき項目としては、OT5カ条の「2.生活行為に活かせる身体機能/操作機能の改善・獲得に取り組もう」が挙げられます。
「回復」と「活かせる機能」
私はここに回復期の特異性を感じます。
次は上肢機能アプローチを担うことが多いOTの大元「OT協会」の方針を見てみます。

これも読みづらいかもしれません。注目箇所は、「作業療法は、作業に焦点を当てた治療である」という点。作業とは「目的や価値を持つ生活行為」のことです。超訳すると、OTは作業(生活行為)のためにアプローチするということです。
この3つで「現在地」を特定してみます。

- ADLの自立度向上
- 生活行為に活かせる身体機能/操作能力の獲得
- 目的や価値を持つ生活行為に焦点を当てた治療
この3つから分かるように、回復期における上肢機能アプローチは3つの目的のための手段として行われるべきもの、ということが分かります。

重要なポイントは上肢機能アプローチはそれ自体が目的なのではなく、手段であるという点です。
言い換えれば、ADLの自立度にも、生活行為にも活かせず、価値を持つ生活行為もできなかった場合、上肢機能アプローチとしては失敗だったということです。
※廃用手(重度麻痺)の場合は致し方ないことも多いですが…
まとめると、こうなります。