原則を元に自分のアプローチを見直そう
前回は動く手を目指すアプローチを「樹」で例えてみました。

この「幹」とは、
「良い経験をどのくらい与えるか」=治療原則のこと
でした。
この治療原則を知ることでアプローチの質を一気に上げることができます。
語り始めると長く、そして膨大なEvidenceを紹介することになるので今回は、
について伝えます。
では、548にも及ぶ論文をまとめ、治療原則を抽出した研究(2019年)を紹介します↓

運動学習と脳可塑性メカニズムに基づく脳卒中後のニューロリハビリテーションの原理 – PMC (nih.gov)
この論文によると、上記の15項目が運動麻痺の改善に効果があった項目としています。それぞれの経験が脳のどの部分に作用するのかまで表でまとめてくれています。この記事ではそこまで触れませんが、わたしたちのEBProcessをサポートしてくれる内容なので、時間があるときに読んでみてください。
さて、この上記画像は臨床に連れていくメモ帳などに書いておくといいかもしれません。患者にアプローチを実践する中で、クオリティをチェックできます。
では、それぞれの項目の簡単な解説をします。下の図を見てください。

この15項目を確認した上で、今みなさんが患者に行っているアプローチは何項目該当しているでしょうか。
4,5個でしょうか。それとも0…?
すべてを網羅するのは項目の性質上難しいかと思います。例えば、精神的練習と行動観察を両立するのは難しいですし、リズミカルな練習と行動観察などもそうです。では、これら15の原則を私たちはどう活用すべきでしょうか。
まずは項目の多すぎて活用しづらいと感じませんか。こういう場合、私は勝手にカテゴライズする癖があります。数学でいう因数分解みたいなものです。
では下の図を見てください。

このようにカテゴライズすると活用しやすくなった気がしませんか?
ただ、これは私が勝手に分類したものです。なので、〈反復練習〉は【練習量】の中ではなく、【課題設定】の中にあった方がしっくる来る人もいるかもしれません。あくまで分類は物事を整理しやすく(活用しやすく)するためのものなので、みなさんも活用しやすいように分類してみてください。
さて、今回の記事ではどんな経験を与えることが脳の再組織化(麻痺の回復)を起こすのかという話をしてきました。その答えとして、500以上の研究データをまとめ、導き出した治療原則15個を紹介しました。ぜひ、自分のアプローチがどのくらい原則に従っているかチェックしてみてください。
次回はこの15原則を公式化し、原則同士に優先順位をつける試みをしてみたいと思います。完全に私個人の試みですが…
更に、上肢機能アプローチ界隈で君臨する〘CI療法〙・〘促通反復療法〙などがこの原則にどれだけ当てはまっているかも試してみたいと思っています。
では…