自分のアプローチは、千切れた葉っぱになっていないだろうか?
前回の記事では、脳卒中後の運動麻痺の回復には局所変化(プシューとペナ)と脳の再組織化があると伝えました。局所変化はセラピストの手が及ぶところになく、わたしたちの役目は脳の再組織化を起こすための「経験を与える」ことだと。
今回の記事では、動く手(運動麻痺の回復)を目指すときのEBProcessの全体像をお伝えしようと思います。
これは、樹をイメージすると分かりやすいかもしれません。なので、今回は「樹」でみなさんの理解を助けられるかやってみたいと思います。
樹は、「根→幹→枝→葉」からなります。
根は幹へと繋がり、枝別れし、先に葉を付ける。
では、それぞれの部位が上肢機能アプローチの何に該当するかを伝えていきます。
では、全体像をまずは知ってもらうために下の図を見てください。
脳の再組織化を「樹」で例えた場合、アプローチの選択までのつながりは以下のようになります。

どれだけいいアプローチ(CI療法とか)であっても1日5分の経験では意味はない。
こういった感覚的に理解していることを科学的に証明したのものが原則です。
では、
この疑問に答えるための知識を私たちは持っている必要があります。
代表的なものは15個ありますが、詳細は下記の記事を読んで参考ください。
原則を元に自分のアプローチを見直そう 前回は動く手を目指すアプローチを「樹」で例えてみました。 今回は「幹」について詳しく説明します。 この「幹」とは、 「良い経験をどのくらい与えるか」[…]
では、先にすすめます。
次は「枝」について。
脳の再組織化には、経験を与える必要があり、良い経験には何をどのくらいといった原則があることを先ほど伝えました。
枝とは、原則とアプローチをつなぐもの。戦略のことです。
戦略については数多くありますが、以下の3つの要素を基に組み立てることをお勧めします。
- 回復ステージ理論
- FMA理論(私の造語)
- 予測
- 回復ステージ理論→どの時期にどんな治療をすべきかの検討のために利用する
- FMA理論→関節運動レベルでの治療方針の設定に利用する
- 予測→上肢機能全体の治療方針の設定に利用する
どれだけ原則を踏まえたアプローチであっても、適切なタイミング・設定でなけれは効果を十分に引き出しきれません。
そのために、3つの視点から戦略を立て、もっとも効果的なアプローチ(葉)を導き出すことが大切です。
この発想がなければ、以下のような発想で治療に臨むことになります。
「CI療法が一番エビデンスあるし、それだけやれば十分だ」
「まだ回復してるから、このままRFEを続ければいいだろう」
どうでしょうか。戦略についての詳細を知ればこの発想がピントズレしていることが分かると思います。
下記の記事を読んでみてください。
以上で、「樹」を元に動く手となるためのアプローチの全体像を明らかにしました。
ここまでの説明でみなさんが行ってきたアプローチが、「経験」→「原則」→「戦略」という体系的な流れの末端にあるものということが理解できたと思います。
「葉」は立派なのに枝も幹もない。そうすると効果が出なかったとき、どう修正するかも分からず、続けるべきか、止めるべきかも分からなくなるでしょう。
そういった経験はみなさんにもあるのではないでしょうか。
