予後予測Type2:【PREP2】について

PREP2は4つの未来を予測する

PREP2とは何か?

前回の記事では、予後予測法の「比例回復則」について説明しました。

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さて、今回のPREP2ですが言葉で説明するよりも図を見てもらう方が分かりやすいと思います。

PREP2:脳卒中後の上肢機能を予測するためのバイオマーカーベースのアルゴリズム – PMC (nih.gov)

簡単に解説します。

まず、①発症3日目でSAFEスコアが5点以上かどうかで分かれ道があります。SAFEスコアとは「肩の外転」と「手指の伸展」がどの程度できるかの指標です。②80yとは80歳のことです、③MEPとは運動誘発電位のことで、経頭蓋磁気刺激を用いて誘発し特殊なMRIで測定します。④NIHSSは脳卒中の指標となります。

これら4つの指標にて4パターンの予後予測が可能となりました。注意点としては、PREP2は指標にARATを用いています

PREP2は4つの治療方針を呈示する


PREP2の結果は先ほどの図にあるように【Excellent】【Good】【Limited】【Poor】の4つのどれに患者が当てはまるかを予測します。そして、その4つのパターンに対する治療方針もこの研究で紹介しています。それが以下になります。

臨床活用について

ここでみなさんはこう思ったはず。

「発症3日以内の評価はできないし、MEPを測定する機器なんてどこの病院にあるの?」

ということで、比例回復則に続いてこの予測法も多くの病院では活用できません。残念です。

ですが、この研究は以下の点において有用できる。

  1. 肩外転・指伸展である程度の麻痺が予測できること(他の論文でも示されているが)
  2. 皮質脊髄路の残存度で予測する発想
  3. ARATの点数で4パターンの治療方針を示したこと

特に③は治療方針を組み立てる上でかなり有効活用できるので、今後別の記事を挙げる予定です。

また、PREP2は予後予測法としては多くの病院で活用できませんが、エッセンスを取り入れることはできるでしょう。例えば、回復期入院直後(発症約1カ月)に肩の外転・指の伸展がほとんどできない90歳の患者だった場合、【Excellent】コースは外れる可能性が高いでしょう。【Good】コースの可能性はまだありますが、CT・MRI画像から皮質脊髄路の経路を損傷されているか読影することでその可能性が残されているかを吟味できるでしょう。


さて、今回はPREP2を紹介しましたが、前回の【比例回復則】と同様に高い精度で予後予測できるにも関わらず、臨床での活用は条件が厳しくて困難であることが分かりました。

そんな中、2020・2021年にとある予後予測法が発表されました。この予測法は発症3日以内でなくとも、MEP測定がなくとも活用できる画期的なものです。私はこの予後予測法を担当患者に必ず利用しています。

今後記事で挙げるのでしばらくお待ちください。