この記事を読むことで以下のことが学べます↓
では解説していきます。
麻痺手が「使う手」になる条件とは
上肢機能アプローチの目的は、患者の大切な生活行為を実現するための手段として麻痺手を動く・使うようにすることだと以前の記事で伝えました。
〒機能改善ではない。 機能改善には限界があるこの事実はすでに明白でしょう。では、回復期病棟における上肢機能アプローチの所在はどこなのでしょうか。それでもまだ、〒機能改善なのでしょうか。こう聞くと「違う」と答えたくなる。でも、じゃ[…]
そして、麻痺手をそういった生活行為で使うための条件としては、
非麻痺手だけで行うよりも、麻痺手を参加させる方が「遂行度」「満足度」が高い状態であること
を挙げました。
この記事を読むことで以下のことが学べます↓ 「使う手」になるための条件を知ることができる では始めます。 回復期における上肢機能アプローチの目的は「生活行為で使う手にすること」です。このことについては下記の記事で詳しく書[…]
では、患者は麻痺手を参加させた方が遂行度も満足度も高ければ、どんな生活行為にも非麻痺手を参加させるのでしょうか。
最低限の生活行為(ADL・仕事レベル)の場合は「使う」でしょう。
しかし、家事・趣味などが目標の場合、遂行度・満足度自体が低いとその生活行為を「やらない」可能性があります。
では、この視点を疑問文にしてみます。
麻痺手を使うようになるにはどれくらいの遂行度・満足度が必要?
先ほどから繰り返し登場している、「遂行度・満足度」。
このキーワードで思い浮かぶ指標がありませんか……?
それは、COPM(カナダ作業遂行測定)のことです↓
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2014/PA03084_04
COPMは生活行為を「重要度」「遂行度」「満足度」の3つの側面に分け、0-10点で患者が評価する指標です。「重要度」についてはリハビリテーションの目標設定のために使用する部分なので、ここでは触れません。
さて、先ほどの疑問文にCOPMを組み合わせてみると下記のようになります。
ポイントは、COPMが主観的評価というところです。
目標とする生活行為の「遂行度」「満足度」が上肢機能アプローチによって意味のある改善・向上をしたと患者自身が感じることができれば、麻痺手を使用する可能性が高いと言えます。
ではどのくらいの改善でそう感じることができるのか?
そのことを調べた研究があります↓

表のCOPM-Pは「遂行度」、COPM-Sは「満足度」のことです。一番下のMICとは「患者が重要な変化と感じる最小値のこと」で、リハビリテーション業界では効果判定によく使われる指標です。類似したものとしては、MCID・MDCなどがあります。
さて、先ほどの表に戻ります。表のEstimateと一番下の項目MIC adjustが交わるとこを見てください。そこにCOPM-P:2.20、COPM-S:2.06と書かれています。これがMICの値です。
要するに、介入前後でCOPM-Pは2.20、COPM-Sは2.06以上改善することで、患者は意味のある変化が起きたと感じられるということです。この研究は平均で数値を表示しているため、小数点第2までありますが、患者個人では2‐3以上の変化という解釈でいいかと思います。
COPM2以上の改善を目標値とすることで、「使う手」となる可能性が高い

